健康状態をチェックしてみる

お酒とHIV

主治医からお酒を控えるよう指示されていなければ、適量の飲酒は問題ありません。

ただし、HIV陽性者は、そうでない人と比べて、飲酒によって健康被害が生じやすいという科学的根拠が少なからず報告されています。*そのため、飲酒に関するガイドラインを守り、飲酒量を「1日平均純アルコールで20g程度」**におさえることが大切です。また、肝臓を休めるために飲酒をしない「休肝日」を週に1日以上設けることもおすすめです。***

なお、飲み過ぎによる身体への悪影響についても知っておきましょう。飲酒の適量を把握し、自分自身のより良い健康のためにできることを考えてみてください。

*AIDS Behav. 2019 Jan;23(1):152-160.を参考に作成
**厚生労働省の「健康日本21」https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html (参照 2021-04-09) では、「1日平均純アルコールで20g程度」<ビール(アルコール度数5%)中瓶1本500mL、日本酒(度数15%)1合180mL、酎ハイ(度数7%)350mL缶1本、ワイン(度数12%)1杯120mLに相当****>を節度ある適度な飲酒と定義しています。なお、女性と高齢者は少なめにすることが推奨されています。
***厚生労働省「e-ヘルスネット」栄養・食事・血圧から見た許容飲酒量を参考に作成
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-011.html (参照 2021-04-09)
****厚生労働省「e-ヘルスネット」飲酒のガイドラインを参考に作成
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html (参照 2021-04-09)

お酒が身体に与える影響

  • 過度な飲酒は、肉体や精神面の問題だけでなく、感情のコントロールも失わせることがある
    HIV陽性者の多くが、多量飲酒やアルコール依存などの問題と向き合っています。これらの症状に悩まされている方は、心理的なサポートが受けられるように主治医に相談しましょう。
  • 過度な飲酒は免疫力を低下させる
    HIVに感染すると、病気から身を守るための免疫細胞(CD4陽性Tリンパ球)が壊されてしまうため、感染者は既に、免疫力が落ちて感染症にかかりやすい状態であることに注意しましょう。
  • 飲酒は肝臓にダメージを与える
    HIVに感染している人だけでなく、C型肝炎やB型肝炎などの感染症にかかっている人たちにとっても重要です。飲酒によって薬の作用が強まったり、弱まったりするほか、予期せぬ副作用がもたらされる可能性もあります。
  • お酒を飲み過ぎると判断力が鈍る
    過度な飲酒により判断力が鈍って、無防備な性行為など、リスクの高い行動に走ってしまうかもしれません。また、服薬を怠ったり忘れたりして、HIVを上手くコントロールできなくなる可能性もあります。

適切な飲酒量

お酒の種類 度数 適量
(アルコール20g相当)
カロリー 糖質
ビール 5% 500ml
(中ビン1本)
約200kcal 約15g
焼酎 35% 71ml
(0.4合)
約100kcal 0g
日本酒 15% 180ml
(1合)
約190kcal 約9g
ワイン 12% 120ml
(グラス1杯)
約80kcal 約2g
ウイスキー 43% 60ml
(ダブル1杯)
約140kcal 0g
缶酎ハイ 7% 350ml
(1缶)
約200kcal 約6g

※カロリーや糖質の数値はあくまで目安です。
製品によっては異なる場合があります。

厚生労働省「e-ヘルスネット」栄養・食事・血圧から見た許容飲酒量(3)「節度ある適度な飲酒」についてを参考に作図
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html (参照 2021-04-09)
厚生労働省「e-ヘルスネット」飲酒のガイドラインを参考に作図
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html (参照 2021-04-09)
アルコールの酒類別;カロリー早見表を参考に作図
https://www.do-yukai.com/meal/05.html (参照 2021-04-09)
文部科学省 1-0216 し好飲料類(正誤表9反映0215)を参考に作図
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/02/16/1365343_1-0216r9.pdf (参照 2021-04-09)
文部科学省 食品データベースを参考に作図
https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16059_7&MODE=0 (参照 2021-04-09)

少しでも気になったときはもちろん、
不安がないときこそ、
健康状態をふまえ将来の治療について
考えるチャンスです。

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