HIVの治療
HIV治療の歩みや「治療で感染を防げること」、自分らしく服薬を続けるコツを解説します。
HIV治療の歴史
Good Healthとは、最後の90が示すウイルス量が検出限界以下になった患者さんの、生涯にわたる「良好な健康状態の維持」を指します。これからのHIV治療は、ウイルスの抑制にとどまらない、生涯にわたって良好な健康状態を維持する「Good Health」が求められる時代へ向かっていくと考えられます。
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死の病の時代
実験段階の時代
時代
しての時代
を考える時代
*:highly active antiretroviral therapies
**UNAIDS. How AIDS changed everything — MDG6: 15 years, 15
lessons of hope from the AIDS response. 2015
http://www.unaids.org/sites/default/files/media_asset/MDG6Report_en.pdf
(参照 2019-11-22)
Lazarus JV. et al. BMC Medicine
2016:14:94 を参考に作成
HIVは治療を
すればうつらない?
HIV治療は抗レトロウイルス療法とも呼ばれ、通常ART (抗レトロウイルス療法) は少なくとも3つの薬で構成されています。そのうちの2剤の役割は、CD4の細胞コントロールセンターへのHIVの侵入を食い止めることです。
ただ、HIVは2剤のブロックをかいくぐって侵入してくることもあります。そんな時に活躍するのが3つ目の薬。隙間を縫って侵入してきたHIVがCD4の細胞コントロールセンターを乗っ取ってウイルス製造工場化しないように戦ってくれるのです。3つの薬が互いにバックアップできる状態をつくることで、ウイルスが侵入してくるポイントが異なっても戦えるように準備し、CD4への新たな攻撃を防ぐ。これを試みたのが複数の薬による治療手法で、過去20年間でHIVを少なくとも3種類の薬で治療することが推奨されてきた理由の一つです。
現在はまだ、HIVを完治する治療方法はありません。しかし研究によれば、HIV治療を始めてから毎日服薬することによって体内でのウイルス増殖を抑え、検査でも検出できない量にすることが可能です。ウイルスが検出限界以下の状態になってから6ヶ月、またはそれ以上経過すると、性行為によって他の人がHIVに感染するリスクが低くなります。* また、抗HIV薬をきちんと服用すれば、エイズの発症を防ぎ、長期間にわたり健常時と変わらない日常生活を送ることができるうえ、非感染者と同じくらいの寿命も望めます。
*米国国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID) 、10 Things to Know
About HIV Suppression、NAID、2017. を参考に作成
https://www.niaid.nih.gov/diseases-conditions/10-things-know-about-hiv-suppression(参照 2021-09-01)
内服を続ける為にも、
小さなガマンを
増やさない
U=Uが示すように、HIVの量を検出限界値未満に継続的に抑えることで、性行為によって他者にHIVを感染させるリスクは低減します。そのためには、患者自身が医師の指示に従って積極的に薬を使った治療を受ける「服薬アドヒアランス*」を良好に保ち、抗HIV薬を毎日正しく服用することが重要です。**
医師の指示どおりに抗HIV薬を毎日服用すれば、血液中の薬の濃度を一定に保つことができます。これは、ウイルスの増殖を抑えるために必要な薬を十分に体内に保ち、治療成功率を高めるために不可欠です。その反対に、薬を飲み忘れると血液中の薬の濃度は低下します。そうして血液中の薬が最小濃度を下回ると、服用中の薬では増殖を抑えられなくなる「薬剤耐性ウイルス」が生み出され、服用を再開したとしても薬が効かなくなったり、他の薬でも増殖を抑えられなくなったりする可能性があります。
とはいえ、毎日の薬の服用は、経験がない方にとってはとても負担に感じるかもしれません。毎日キチンと飲みつづけるために欠かせないのが、自分の治療薬について十分に理解する姿勢です。薬によって、用法や食事への影響、保存方法、副作用は異なります。そしてなかには、「1日1回」「1日1錠」「服薬時間の制限がない」薬も存在します。それぞれの薬の特徴を把握したうえで、自分の生活スタイルに合った薬をえらぶことが、治療生活を長く続けるポイントです。***
あなたは服薬について、「気分が悪くなるけれど、これくらいの辛さは仕方ない」と思ってガマンしていませんか?または、「1日に何度も薬を飲むのが難しい」「継続する自信がない」などと感じていませんか?大切なのは自分に合う薬を選択して、できる限りガマンをしない状況をつくること。服用に前向きになれない原因がある時は、どんな小さなことでも主治医に相談しましょう。
*日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会
HIV感染症「治療の手引き」P23を参考に作成
http://www.hivjp.org/guidebook/hiv_24.pdf
(参照2021-09-01)
**HIV感染症及びその合併症の課題を克服する研究班 Guideline
抗HIV治療ガイドラインp9を参考に作成
https://www.haart-support.jp/pdf/guideline2021.pdf
(参照2021-09-01)
***独立行政法人国立病院機構 仙台医療センター
東北ブロックAIDS/HIV情報ページ お薬の部屋を参考に作成
https://www.tohoku-hiv.info/for_patient/medicine_03.php
(参照2021-09-01)
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