通院前チェックをしてみる

HIVとSTI

未治療のHIV陽性者では、エムポックスなどの特定の性感染症に感染すると、重症化・難治化する場合があります。これまでHIV検査を受けたことがない方は、性感染症にかかった際、併せてHIVや他の性感染症の検査をしてみることをおすすめします。また、性感染症の中には、A型肝炎やB型肝炎など、ワクチンで予防できるものもあります。性の健康を守るために、正しい知識や自身の感染歴、地域の流行状況を把握しておくとよいでしょう。

STIとは?

STIにはどんな種類があるの?

性感染症(STI)とは、性的接触を介して口や性器などの粘膜・皮ふから感染する病気のことです。STIはオーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)などでも感染します。

STIにはどんな種類があるの?

こちらのカテゴリでは、STIとしてよく知られている梅毒、クラミジア感染症、淋菌感染症、マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、エムポックスの症状と診断、治療、他の人にうつさないための注意点などについてご紹介します。
STIには、ほかにも、非淋菌性尿道炎、性器ヘルペス、尖圭せんけいコンジローマなどがあります。

予防や治療はなぜ重要?

STIは、性的接触があれば誰でも感染する可能性があります。
STIに感染しても、かゆみや痛みなどの症状が軽い場合や、無症状である場合も少なくありません。このため治療に結びつかず、気づかないうちに進行したり、自覚せずにパートナーに感染させてしまったりすることがあります。
STIの種類によっては、治療をしなかった場合に不妊の原因となったり、神経や心臓などに合併症を引き起こし、後遺障害を残したりすることもあります。また、HIVなどの他の感染症にかかりやすくなることもあります。
特に妊娠が可能である女性がSTIに感染した場合は、母親からお腹の子どもへ、または生まれた子どもへ感染し、次世代に影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。

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STI予防のための8つのポイント

1 コンドームを使用しましょう

コンドームを正しく使うことで、さまざまなSTIの感染リスクを下げることができます。

2 パートナーを決めましょう

不特定多数との性交渉は、STIの感染リスクが高くなります。また、感染した相手の特定が難しいため、治っても再び感染する可能性があります。

3 からだを清潔に保ちましょう

性交渉前後に性器を含めからだをよく洗い、清潔にしましょう。

4 体調を観察しましょう

体調がすぐれない時はSTIに感染する可能性が高く、すでに感染していた場合は潜伏していたSTIの症状が出てしまう可能性があります。体調がすぐれない時は性交渉を控え、いつもと違う症状がある場合は検査や医療機関の受診を検討してください。

5 検査を受けましょう

保健所では無料かつ匿名でSTIの検査を受けることができます。不安を感じたら、すぐにパートナーと検査を受けましょう。性交渉の前に、あなたとパートナーがSTIにかかっていないか検査しておくと安心です。

6 感染をパートナーに伝えましょう

もしご自身がSTIに感染していることがわかったら、すぐにパートナーに伝えましょう。パートナーから感染を伝えられたら、症状がなくても検査を受けましょう。

7 治療を受けましょう

自分がSTIになっても、適切に治療することでパートナーや他の人への感染予防につながります。

8 ワクチン接種を検討しましょう

STIのなかにはワクチンを接種することで予防できるものがあります。ワクチンの接種を検討しましょう。

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関連リンク

これって性感染症?(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/sti/

HIV検査相談マップ(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/hivkensa/

資料ダウンロード

こちらのページの内容をご紹介したリーフを、こちらからダウンロードすることができます。

STIリーフイメージ

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■総合監修
国立国際医療センター
エイズ治療・研究開発センター
治療開発室長・セクシャルヘルス外来室長*

水島 大輔 先生

性感染症(STI)は、皆さんの日常にありふれた疾患であり、遭遇することはまれではありません。また、STIは一般的に症状が出ない、あるいはご自身では気づかない場合も多いことがわかっています。
近年では、STIになってから病院に行くのではなく、ご自身の健康を性の健康も含めて主体的に守るという、セクシャルヘルスの考え方が重要になっています。STIの知識を備え、ご自身を守る手段を増やすことは、皆さんの健康を守る第一歩になります。この情報が皆さんの性の健康を今まで以上に意識するきっかけになれば幸いです。

水島 大輔(みずしま だいすけ)

医学博士、熊本大学客員教授、日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、日本感染症学会認定感染症専門医・評議員。
大阪大学医学部医学科卒、熊本大学大学院医学教育課博士学位取得。大阪大学医学部附属病院内科等研修後、国立国際医療研究センター(NCGM)エイズ治療・研究開発センター所属、現在に至る。

■B型肝炎診療監修
大阪医療センター 感染症内科*

小西 啓司 先生

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とともに生きる方(PWH)の中には、B型肝炎ウイルス(HBV)にも感染している方がいらっしゃいます。HBVは性行為などを通じて感染し、症状がないまま慢性肝炎や肝硬変、肝細胞がんへと進行することがあるため、定期的な検査と早めの対応が大切です。B型肝炎はワクチンで予防でき、感染後も適切な治療によりしっかりとコントロールをしていく病気です。まずはご自身のB型肝炎に関するステータスを知ることが、健康を守る第一歩になります。この情報が、主治医との会話を始めるきっかけになれば幸いです。

小西 啓司(こにし けいじ)

医学博士、大阪大学大学院医学系研究科感染制御学招へい教員、日本内科学会認定総合内科専門医、日本感染症学会認定感染症専門医、日本エイズ学会認定指導医、インフェクションコントロールドクター(ICD)。
2015年大阪市立大学医学部医学科卒業、2025年大阪大学大学院医学系研究科博士学位取得。2015年天理よろづ相談所病院臨床研修、2017年より大阪市立総合医療センター感染症内科、2023年より大阪大学大学院医学系研究科特任助教等を経て、2025年より独立行政法人国立病院機構大阪医療センター感染症内科所属、現在に至る。
2025年に『その常識は古いかも!? 一冊で解決する 性感染症外来診療』(金芳堂)を上梓。

*先生のご所属・肩書は2026年8月時点のものです