A型肝炎
A型肝炎
原因となるウイルス・発症のしくみ
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)によって引き起こされる急性の肝臓の炎症です。多くの場合、慢性化せず自然に治りますが、重症化して急性肝不全を発症することもあります。
HAVに汚染された食品や水の摂取、または肛門付近に口をつけることで感染します。このため、オーラルセックスやMSMの方などでのアナルセックスによる感染に注意が必要です。
なお、A型肝炎はワクチンを接種することで予防できる病気のひとつでもあります。
A型肝炎の流行状況については、東京都感染症情報センター(https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/hepatitis-a/hepatitis-a/)で公開されていますので、ご覧ください。
主な症状とその部位
感染から平均28日の潜伏期間を経て、黄だん(皮ふや白目の部分が黄色くなる)、発熱、だるさ、食欲の低下、吐き気、灰白色便(便が白っぽくなる)などの症状があらわれます。ただし、こうした症状があらわれるかどうかは年齢に関連しています。子どもではあらわれにくいのに対し、成人では約70%の方で急性A型肝炎の症状があらわれます。
これらの症状は、通常1~2か月で自然に回復します。
診断
A型肝炎の診断は、血液検査でHAV感染後に上昇する抗体を調べます。この抗体は発症初期には陰性になる場合があるため、症状からA型肝炎が疑われる際は時間を置いてもう1度検査を受ける必要があります。
治療・予防
通常、A型肝炎の多くは特別な治療の必要はなく、症状をやわらげるための対症療法(症状に応じたケア)がとられます。ただし、吐き気や嘔吐がひどく、脱水症状になった場合や、肝臓の機能が急激に悪化する急性肝不全が考えられる場合は入院となることがあります。また、A型肝炎は症状があらわれる2~3週間前および症状があらわれてから1週間後まで、便にHAVが排出される可能性があるため、性行為を避けるなど注意が必要です。
A型肝炎はワクチンで予防できる病気のひとつです。A型肝炎ワクチンは2回の接種を完了することで成人のほぼ100%で免疫が得られ、その効果は40年以上持続すると考えられています。MSMの方など、感染リスクが高いと考えられる方は、主治医に相談のうえワクチン接種(自己負担)を検討してください。
感染を予防する·ほかの人にうつさないための注意点
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■総合監修
国立国際医療センター
エイズ治療・研究開発センター
治療開発室長・セクシャルヘルス外来室長*
水島 大輔 先生
水島 大輔(みずしま だいすけ)
医学博士、熊本大学客員教授、日本内科学会認定総合内科専門医・指導医、日本感染症学会認定感染症専門医・評議員。
大阪大学医学部医学科卒、熊本大学大学院医学教育課博士学位取得。大阪大学医学部附属病院内科等研修後、国立国際医療研究センター(NCGM)エイズ治療・研究開発センター所属、現在に至る。
*先生のご所属・肩書は2026年8月時点のものです